いののすけのブログ

いろいろ語りたい一人の人間のブログ

今年の振り返り1(麻雀とVtuberにハマった話)

 今年も残りわずかとなったので、例年通り1年を振り返ろうと思います。いつもは3か月ごとにいろいろ振り返っているのですが、今年に関しては麻雀とVtuberにハマり、これを抜きには振り返れないところなので、まずこの2つを取り上げ、次回その他の面に関して振り返ろうと思います。

 

 まずは麻雀に関してです。麻雀はかねてからやりたいと思っていたのですが、なかなか食指が伸びていませんでした。ただ今年はゴールデンウィークに時間があり、ちょうどそのころ読んだ別冊マーガレットの付録に雀荘を舞台にした漫画が載っていて、なんとなく始めてみようと思いました。最初はアソビ大全でCPUと戦ってみたのですが、全くといっていいほど勝てず、悔しかったので買ってあった入門書をしっかり読みました。すると少しずつアガリができるようになり、楽しさを見出せるようになってきました。そのなかで周りの友人とも打ってもらったのですが、レベルの差が歴然としており、これも悔しかったので、さらに本を読み勉強しました。また雀魂の段位戦も始めて、のめりこんでいきました。加えて麻雀プロのYouTube(主に多井隆晴プロ)を観てプロに興味を持ち、ちょうどやっていた神域リーグを観戦しました。そして麻雀観戦にもハマり、10月に始まったMリーグも視聴し始め、また近代麻雀も買うようになり、どんどんハマっていきました。

 麻雀の面白さは選択にあると感じています。何を切るか、鳴くか、テンパイ時にリーチするか、攻めるか守るか等、選択が多くあって、難しいながらも考えて選択していくのが楽しいです。麻雀は運要素もそれなりにあって、正しい選択をしても勝てるわけではないのですが、それでもミスをして勝てないということが多くて、やはり選択が大事なのかなと考えています。いろいろな要素で判断が変わってくるので、常に考えながらなんとか勝てる道を模索していくそのプロセスがとても楽しいです。

 今は雀魂では雀傑に到達しましたが、そこから思うように勝てない日が続いています。ただ強い友達に聞いてみるとミスが多くあるので、そのミスを減らせるように本を読んだりして勉強しています。負け続けて悔しいことも多いですが、あとから冷静に振り返るとミスをしていることが多く、実力が足りていないと感じています。また麻雀は観るのも楽しいので、Mリーグを観て楽しんでいるとまた打ちたくなったりもします。Mリーグを観てると自分では理解できない選択も多く、その解説を聞いたりすると勉強になりますし、またドラマも多くあってとても面白いです。観戦を楽しみながら、実力をつけて楽しんでいきたいと思っています。

 

 次はVtuberに関してです。麻雀とも関連していくのですが、神域リーグを観たり、多井隆晴プロのYouTubeを観ていくうちにVtuberに興味が出てきて、いろいろと観るようになっていきました。面白い企画があったり、ゲーム実況が面白いことも多くて、最近はよく観ています。

 特に好きなのは因幡はねるさんと千羽黒乃さんでメンバーシップにも加入しています。因幡さんは企画力と司会力が抜群で、面白い配信が多いです。また雑談も面白く、とても楽しんでいます。頭の回転の良さやゲストを活かす進行が面白いのに、突如卑屈になったり、とんでもないことを言い出したりするそのアンバランスさに惹かれています。

 また千羽さんはとにかくトークが面白いです。それを麻雀を打って自分の思考を説明しながらやっているので、本当にすごいと思っています。また負けても決してネガティブなことを言わない姿勢など麻雀と向き合う態度は本当に尊敬しています。ただ性癖のショタ語りになると、麻雀以上に饒舌になる感じも普段とのギャップでとても面白いです。

 この2人を中心に最近は他のVtuberの配信も観ています。ただ切り抜きを観ることが多かったので、これからは生配信ももう少し観れたらいいなと思っています。

 

 以上今年ハマったものを述べていきました。こういったことに新たにハマったこともあり、趣味の時間がますます足りないと感じることも多いですが、うまくバランスをとっていろいろと楽しめたらいいなと思っています。

 次回はアニメや将棋などその他の趣味を振り返ろうと思います。

百合作品探究その1~『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』~

 自分の好きな、あるいは気になった百合作品の感想に言及しながら、百合について考えていきたいと思っています。最初はKADOKAWAより刊行されている『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』です。(以下ネタバレを含みます)

 

 まずは作品の概要です。『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』はその名の通り百合作品のみを集めたアンソロジーです。KADOKAWAより刊行されており、2016年から2019年の間に5巻が刊行されています。百合という以外には統一されたテーマもなく、多種多様な百合作品が収録されています。

 

 一通り読んでみてまず思ったのは、百合というものの多様性です。百合作品は大前提として女性同士の関係性というところから出発していますが、それでも恋愛というだけではなく、ほかの人とは違う特別な友情などの恋愛まではいかない感情までも包摂しています。また学生同士から会社の先輩・後輩など関係も多様です。その中でそれぞれに違った感情の表現や好意の発露の仕方があり、自由度が高いと感じています。この多様性による自由度こそが百合の魅力の一端であり、本アンソロジーではそのあたりを存分に味わうことができました。

 

 以下ではいくつか印象に残った作品を取り上げます。(以下はシリーズ、作家、作品名、ページ数はKADOKAWA刊『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』に依拠しています。)

 

 1.唯野影吉『GAME OVER』(無印、p.165)

 この作品は山奥の廃墟で世界滅亡ごっこをする二人を描いた作品です。廃墟というエモさを感じる場所でいちゃいちゃする女子二人とかもう言葉抜きで最高じゃないか、ということを感じた作品でした。

 

 2.カボちゃ『もう夏は来ないけれど』(blanche、p.131)

 この作品は優秀な姉に対しコンプレックスを抱いている女子が、一緒にいると居心地がいい先輩と過ごす夏を描いた作品です。姉妹コンプレックスという側面と、そんな感情を持つ自分を肯定してくれる先輩に思いを伝える場面にグッとときました。

 

 3.北尾タキ『サトと泪と女と女』(bleue、p.205) 『レジェンドと新人と私』(rouge、p.189)

 これらは職場の先輩・後輩を描いた作品です。どちらも競い合うライバル関係がみられること、後輩のほうが積極的であることなど自分の性癖に刺さる要素が多く、とても楽しく読みました。

 

4.あらた伊里「ティアドロップス」(orange、p.51)

 この作品は年齢が低いことにコンプレックスを持つ女の子と、年上だけど幼く見える女子の話です。年上だということがわかったあと、年下のふりをしていたのは甘えたいからという種明かしがされ、年下に甘える甘えんぼな年上とか最高じゃないかと、新たな性癖を開拓した作品でした。

 

 『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』を読んで、多様な百合作品に触れ、自分の好きなものを再確認したり、新たな好きを発見したりできました。そういった意味でも百合への導入として素晴らしいアンソロジーだなと思いました。

 

 次回は『百合ドリル』の予定です。

少女漫画感想2~咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』~

 少女漫画の感想を述べていくシリーズ。今回は咲坂伊緒先生の『ストロボ・エッジ』です。(以下ネタバレを含みます。)

 

 まずは作品の概要です。『ストロボ・エッジ』は別冊マーガレット平成19年7月号から平成22年9月号にかけて連載された、咲坂伊緒先生の初の長編連載作品です。物語は初めて恋をした仁菜子とその相手である蓮、そして仁菜子に恋をする安堂の3人を中心に展開されていきます。

 

 前回短編集の感想でも触れたところではありますが、やはり付き合うまでの葛藤する時間や思いがすれ違う場面での表現が秀逸だなと感じました。この3人の間でもそうですが、そのほかの登場人物との関係性の中でも、それぞれ気持ちが揺れ動き、葛藤する中で物語が展開していきます。そのなかで登場するモノローグやコマ割りはやはり印象に残るものがあり、この作品の好きなところになっています。

 ただ『ストロボ・エッジ』を好きな理由は、その導入の素晴らしさにもあると感じています。1話から4話までで仁菜子が蓮を好きになり、初恋を自覚し、そして告白するまでが描かれます。この部分では、些細ながらいくつかのきっかけの積み重ねで恋に気づいて、世界が変わって見えるといったうれしさ、相手に彼女がいると知って、それでも自分の気持ちを大事にしたいと感じ、そこから生じる切なさといったものが情緒たっぷりに描かれています。この導入があるからこそ、その後の蓮を忘れたいけど忘れられないといった苦しさや、安堂のやさしさに触れて揺らめく気持ちといった描写が際立ち、作品の印象がより強いものになっています。この導入部分も自分が『ストロボ・エッジ』を好きな理由です。

 

 以下では印象に残る場面をいくつか述べてみたいと思います。(以下巻数と話数は集英社刊『ストロボ・エッジ』より参照)

 1.「秋と冬の匂いが丁度半分になった!」(3巻、第11話)

 仁菜子と蓮、安堂の3人がバイト終わりの帰り道で蓮の彼女である麻由香と遭遇し、一緒に帰る場面です。蓮も匂いを嗅ぎながら「半分だ」とつぶやいているところに、仁菜子が上記の言葉を叫びます。ちょっとしたことながら二人にしか共有できない感覚というものが垣間見え、思わずドキッとしてしまいました。

 

 2.「つかまえた」(6巻、第20話)

 木に挟まった猫を助けたら自分の髪が木に引っ掛かり、身動きが取れなくなった仁菜子に対し、その猫を追ってきた蓮が不意に抱き着く場面です。突然の密着とそのあとも髪をほどく間に続く接近に、ドキドキが止まりませんでした。

 

3.「答えるまで帰さない」(9巻、第34話)

 安堂への後ろめたさから蓮の告白を断った仁菜子ですが、蓮への想いを忘れられず教室で一人になったとき蓮の席に座り、それを蓮に見られて逃げようとしたときに、蓮に通せんぼをされます。蓮の必死な姿に高揚感がありました。

 

 今回『ストロボ・エッジ』を読んだのは2回目ですが、やはり自分の好きな作品であることを再確認しました。これ以降もまた咲坂伊緒先生の作品を読もうと思っていますが、それがとても楽しみになりました。

 

 次回は咲坂伊緒アオハライド』の予定です。

少女漫画感想1~咲坂伊緒恋愛女子短編集~

 読んだ少女漫画の感想を簡単にでもいいので、少しずつ残していこうと思っています。最初は咲坂伊緒先生の短編集『咲坂伊緒 恋愛女子短編集 君ばっかりの世界』と『咲坂伊緒 恋愛女子短編集Ⅱ マスカラ ブルース』についてです。

※以下ネタバレを含みます。

 

 まずは作品の概要です。咲坂伊緒恋愛女子短編集はそれぞれ2014年と2016年に集英社文庫より発売された、2冊で計11作品が収録された短編集です。作品は2001年から2007年の間に雑誌に掲載されています。

 全体を通して印象に残るのは、付き合うまでの葛藤する時間や思いがすれ違う場面の表現力です。咲坂伊緒先生の作品は後の『ストロボ・エッジ』や『アオハライド』でもそうですが、好きになってから付き合うまでの時間が長いです。その間に気持ちが揺れ動き、思いを伝えるかどうかで葛藤し、逡巡します。それらを表現するモノローグやコマ割りがとても印象的で、そこの表現にすごく惹かれたので、自分は咲坂伊緒先生の作品が好きなのだというのを、改めて感じました。

 以下ではそれらの描写を中心に、印象に残った作品を振り返ってみようと思います。

 

1.君ばっかりの世界

 『君ばっかりの世界』はデラックスマーガレット2004年5月号に掲載された作品です。中学3年の野球部の最後の試合で負けたことに対し「悔いだらけです」と素直に吐露した男子と、それを聞いて恋をした女子の関係が中心となっています。この作品で印象に残るのはラスト20ページ程の帰り道での場面です。お互いが相手は自分じゃない誰かを好きだと思い込み、それでも好きだと伝えたいと思い、葛藤します。その間の心の揺れを丹念に描いているので、最後思いを伝え合うまで気持ちの揺れを追体験するような感覚になりました。モノローグやコマ割りにとても魅せられ、まさに自分が好きな咲坂伊緒ワールドがぎゅっと詰まった短編でした。

 

2.明日見る夢

 『明日みる夢』はデラックスマーガレット2005年7月号に掲載された作品です。好きな男子と同じクラスになり、友達の関係になってしまったことで告白ができず、その間に別のクラスの女子がその男子にアプローチしだすという作品です。この作品は一場面が印象に残っています。それは別のクラスの女子と会った際に「自分が別のクラスだったら告っていた」と伝え、それに対し「ほんとに?」と返された場面です。この「ほんとに?」のあとに真顔で向かい合う二人の描写が1ページ挿入されているのですが、たった一言ながら力強い言葉とその後の余韻に思わず引き込まれました。また最後結局失恋し、後悔を抱えながらも前を向くラストも印象に残りました。

 

3.ピカピカオレンジ

 『ピカピカオレンジ』はデラックスマーガレット2004年1月号に掲載された作品です。第一志望に落ちてしまったために腐っていてクラスでも孤立している女子と、その女子に話しかける男子の作品です。男子に気持ちをぶちまけることがキッカケで世界の見方が変わって事態が好転しはじめ、最終的にその男子を好きになるという王道展開ですが、1ページ使って表情の変化のみで気持ちを描き出す箇所や、最後のモノローグが印象的で、これも咲坂伊緒先生の魅力を感じる作品でした。

 

4.ロマンスの輪郭

 『ロマンスの輪郭』はデラックスマーガレット2007年1月号に掲載された作品です。バス停で転んだ時に助けてくれた男子がいて、その男子と同じ特徴を持つものの性格が苦手な男子との恋愛を描いた作品です。徐々に惹かれていくものの嫌われていると男子に勘違いされ、それでも好きという思いを言葉にしたいと思い立ってからラストまでの疾走感が心地よく、また連ねられていく言葉もテンポよく、読後感の良い作品でした。

 

 全体を通して『ストロボ・エッジ』以降の長編作品にも連なる咲坂伊緒先生の作品の魅力がたっぷり詰まった短編集で、とても楽しく読みました。咲坂伊緒先生の作品に関してはまだ語りたいこともありますが、それは次回以降長編の感想を書く際にさらに踏み込んでいこうと思います。

 次回は咲坂伊緒ストロボ・エッジ』の予定です。

今年の目標2022

 あけましておめでとうございます。今年も新年の目標を決めることから始めていきたいと思います。新年を区切りに目標を決めても、なかなか達成できなくて形骸化することが多いとはよく言われることですが、ただ普段やりたいと考えていても、こうした区切りがないとなかなか言語化する気にならないというのもあるので、気にせず記していこうと思います。

 まず去年の目標の振り返りですが、甘めに見てまあまあ達成できたのではないかと思います。第一に積読の消化は多少進みました。購入する本が多いので積読の量はなかなか減っていないのですが、それでももう読まないであろう本を捨てたり、電子書籍の導入をしたりで、整理はできました。第二に運動はすることができました。「リングフィットアドベンチャー」は偉大でゲーム感覚で運動を楽しめ、継続することができました。なぜだかわからないのですが、社会人になってから大学時代に比べて体重が10kg減り、加えて「リングフィットアドベンチャー」のおかげで心なしか筋肉もついてきた感じで、健康体になってきました。なので今年も継続して今の状態をなるべく維持できればと思います。第三にブログを書くことですが、こちらはあまりできませんでした。書きたいことはあったのですが、自分の中でなかなかまとまらず、うまく形にできませんでした。そうしているうちにブログで書くことが億劫になっていき、さらに書けなくなるという悪循環に陥っていました。おそらく内容のあるものを書こうと意識して力みすぎていたところがあるので、反省したいと思います。

 以上を踏まえて、今年は3つの目標を立てようと思います。

 

 まずは健康を維持することです。これは目標というよりは願望です。去年の振り返り記事でも書いたのですが、コロナ禍で不安になることが多く、体調を崩していた時期がありました。どうしようもないことではありますが、そういうなかで健康の大切さを再認識しました。ただ悪いことばかりではなく、そうした時期でも余力のある時に小説やマンガを読んだり、アニメを観たりして、好きなものに助けられながら乗り切ることができ、趣味の価値を再認識した一年でもありました。回復した後は将棋も集中して取り組めるようになり、おうち時間をなんだかんだ楽しく過ごせました。そういった事情もあるので、今年は健康に気を付けたいと思います。具体的には基本的な感染対策(ソーシャルディスタンスの確保、手指の消毒、マスクの着用等)の継続と食事、運動、睡眠に気を付けて免疫力を高めておくことです。特に睡眠は趣味が楽しくて寝るのが遅くなることも多かったので、今年はなくしていきたいと思います。あと不調の時期でも時間が解決してくれることもあると思うので、そういったときに無理をしないことも大事にしたいと思います。今年は仕事も増えそうなので簡単ではないと思いますが、願望込みで健康の維持をしたいと思います。

 次に将棋に関してです。今年は指す戦法の幅を広げたいと思います。いままで基本四間飛車一本槍で来て、それでも問題はなかったのですが、最近少しマンネリ化を感じるようになりました。また四間飛車対策も多様化してきて、それらにうまく対応できずに序盤から悪くしてしまい、押し引きの過程を楽しめないことが増えてきました。そんな中でも希望はあって、去年耀龍四間飛車を勉強して指し始めたのですが、久しぶりに新しい戦法を習得していく過程は楽しく、マンネリ気味だった自分の将棋に新しい風が吹きましたし、また将棋を組み立てていく楽しさを再確認することもできました。そこでかねてから他の戦法も指せるようになりたいと考えていたこともあり、今年は新しい戦法の習得を目指したいと思います。具体的には三間飛車中飛車です。居飛車でもいいと思うのですが、やはり振り飛車メインでずっと指してきたというのもあり、これからも居飛車を取り入れてもメインは振り飛車で指し続けたいと考えています。そこで高校時代に習得しようとしてうまくいかなかった三間飛車中飛車に、棋力もその頃より上がった今もう一度取り組むことで、自分の将棋の幅を広げられたらと思います。といっても大変だと思うので、戦術書をそれぞれ3冊程度は読み、実戦で試す段階にできれば成功にしたいと思います。

 最後にブログに関してです。去年ブログを書きたいと思ってもなかなか書けなかったのは前述したとおりですが、だからといって書きたくないわけではありません。やはり書くことで思考が整理されたり、その時の感情や感覚を残しておけたりできるというメリットは大きいと思っています。そこで去年は内容をよくすることを意識しすぎて文章が紡げなかったので、今年はどちらかといえば自分のために、内容よりも自分の思考過程をあきらかにしていくことを大事にして書いていければと思います。もちろん内容も追求しますが、「わからない」ことを「わからない」と記すことも大事と思うので、もっと自分本位でその感情や感覚を抱いた理由を分析していって、ある段階の思考のまとめとして書いていきたいと思います。厳格ではありませんが、1か月に1記事くらいは書きたいと思います。

 

 どれも簡単な目標ではありませんが、そろそろ新しいことを始めるのも難しくなってきたり、変化の中で自分に刺さったものが刺さらなくなるといったことも出てくるかと思いますので、そういったものへの抵抗という意味でも、今年立てた目標はぜひとも達成できればと思います。最後になりますが、皆様の2022年が良い年になりますように。

今年の振り返り2021

 今年もあとわずかとなったので、1年の振り返りをしていこうと思います。今年で3回目ですが、書いてるうちに自分がどういうものに心惹かれたかを回顧でき、またのちに見返せる備忘録にもなっているので、今年も忘れずに記しておこうと思います。

 

 まずは仕事のことから。今年は総務の色が強くなった1年でした。経理の業務がどんどん離れて、そのかわりに総務の業務が増えていきました。大きな業務でいうと建設業の決算変更届や労災の年度更新(建設業だとやたら面倒くさい)、年末調整なんかをやりました。あとは他の社員から依頼のあった雑務をこなしていく感じでした。年末は特に忙しかったです。来年はここに衛生管理者等の業務も加わってくるので、さらに忙しくなることは必至で、今から少し憂鬱です。(第一種衛生管理者の試験を10日ほど前に受けてきて、合格した)まあもうなるようになれという感じで、体を壊さぬ程度に乗り切ろうと思います。

 あと今年も新型コロナウイルスが猛威を振るう状況はあまり変わりませんでした。結局不安から休日に外出はできませんでした。普段から結構病気への不安が強い自分としては、パンデミックはとてつもない不安を感じるもので、感染者が激増していた5月-8月はとてつもなく体調が悪かったです。その後9月になってワクチンを打つめどが立って、感染者が減ってきたあたりから落ち着いてきました。正直今の状況は知らず知らずのうちに結構体に来ているので、来年には収まってほしいというのが願いです。それでも今感染者が少し減っている状況なので、これが継続するようなら、来年は少し外出することも検討しています。今は体調も悪くないので、努力でどうにかなるものでもありませんが、少しでも状況の悪化を避けられればと思います。

 ネガティブな話が続いてしまったので、ここからは明るく趣味のことを振り返っていければと思います。例年通り3か月単位で振り返っていきます。(アニメや漫画のネタバレを含みます)

 

 まずは1-3月から。将棋では王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負が行われており、渡辺明名人が強さを発揮して両方防衛を果たし、渡辺名人の強さを感じました。この頃は自分の好きな棋士の一人である斎藤慎太郎八段がA級を勝ち抜けて名人戦の挑戦者になり、NHK杯では決勝に進出しており、嬉しい気持ちでした。NHK杯は惜しくも準優勝でしたが、応援している棋士の活躍を楽しめた期間でした。

 アニメではまず1月3日に地上波で放送していた「天気の子」に衝撃を受けました。セカイ系を究極に突き詰めた感じで、最後に陽菜を選択するのは個人的に突き刺さる終わり方で、年の初めから心の高鳴りがすごかったです。

 またこの時期に視聴した「のんのんびより」、「true tears」、「荒ぶる季節の乙女どもよ。」も印象に残っています。「のんのんびより」はすごくほっこりと癒されました。アニメにはストーリーがあるもののほうがいいと思っていたところもあるのですが、「のんのんびより」は日常系の良さを教えてくれた作品でした。

 「true tears」と「荒ぶる季節の乙女どもよ。」は岡田磨里作品を観たいということで観たのですが、どちらも好きな作品でした。特に「荒ぶる季節の乙女どもよ。」の爆発力はすさまじく、心の揺れがすごかったです。

 この時期にはリアルタイムで「五等分の花嫁」の2期や「ホリミヤ」が放映されており、かなりアニメ視聴に凝っていた時期でした。

 さらに配信で視聴したアイドルマスターシンデレラガールズのライブも印象に残っています。デレステを始めてから半年ほど経ち、曲の魅力にひかれていたころで、配信とはいえ迫力がすごく、とても心に残りました。その後アニメも視聴し、さらに惹かれていきました。

 

 次は4-6月です。この時期はゴールデンウィークを境に徐々に体調を崩していっており、将棋にあまり集中できず、AbemaトーナメントやNHK杯戦の視聴ができませんでした。それでもタイトル戦は何とか追っており、斎藤慎太郎八段の名人挑戦失敗は残念でしたし、藤井聡太棋聖の防衛戦は藤井棋聖の強さが印象に残りました。

 アニメは何とかリアルタイムで視聴できており、それ以外だと「妖狐×僕SS」が自分の好きなラブコメで面白く視聴していました。

 この時期は漫画を読んでゆっくり過ごすことが多かったように思います。印象に残ったのは「ハニーレモンソーダ」や「ReLIFE」です。

 「ハニーレモンソーダ」は王道の少女漫画という感じでしたが、主人公羽花の強さと界のカッコよさが突き抜けており、とても楽しめました。また「ReLIFE」は大学時代に読んでいたのですが、完結部分が未読でした。ところどころ考えさせられる展開や言葉が多く、こちらも楽しめました。

 

 次は7-9月です。この時期は前述した体調の悪さが頂点に達しており、一度出社できないくらいの状態にもなったのですが、家族の支えのおかげで何とか立て直し、ワクチンを打てるめどが立ったあたりから徐々に回復していきました。将棋は藤井聡太二冠と豊島将之竜王のダブルタイトル戦は何とか追っており、ハイレベルな攻防を楽しめました。

 アニメは「花咲くいろは」や「アオハライド」が印象に残っています。「花咲くいろは」はP.A.WORKSの仕事系アニメで、やはりところどころ考えさせられることが多く、心に染み入る作品でした。また「アオハライド」は原作が好きなのですが、アニメでもその良さはしっかりと残っており、ドキドキしながら視聴していました。「アオハライド」を含む咲坂伊緒先生の作品はまた別途まとめたいと思っているので、感想等はその時に記します。

 リアルタイムでは「探偵はもう、死んでいる」と「小林さんちのメイドラゴン」2期が印象に残りました。「探偵はもう、死んでいる」は自分の好きなジャンルであるラブコメとミステリーがふんだんに詰め込まれており、もう好きになるしかない作品でした。また「小林さんちのメイドラゴン」2期も1期に比べて、個々の人とドラゴンの関係にフォーカスしており、久しぶりの京都アニメーションテレビシリーズであることも相まって、とても印象に残りました。

 また9月ごろから徐々に体調が回復していったのですが、それに伴い積読していた百合漫画を読んでいきました。具体的には「百合ドリル」、「GIRL FRIENDS」、「ななしのアステリズム」、「ブルーフレンド」を立て続けに読み、どれもこれも心を打たれました。これにあわせて「コミック百合姫」も買い始めました。百合に関しては以前まとめたものの続きとして、またブログに書こうと思っているので、詳細はそちらに譲ります。

 

 最後に10-12月です。この時期はワクチン接種できて不安が和らいだこともあり、体調がだいぶ良くなり、将棋も楽しめるようになってきました。この時期は竜王戦七番勝負と王将リーグがあり、どちらもトップ棋士のハイレベルな対局が楽しめました。

 アニメは9月から10月にかけて「Kanon」を観ていました。「AIR」と「CLANNAD」と並んで語られることの多い作品ですが、「Kanon」もそれらに負けず劣らず印象に残る作品でした。ただ個人的には名雪との話の掘り下げが少し足りない感じがしました。あゆとの時系列の関係上仕方ないのかもしれませんが、そこだけ少し残念でした。それでもキャラクターは魅力的でしたし、視聴が終わった後はたい焼きを食べたくなるくらい心に残る作品でした。

 「Kanon」を観た後は「けいおん!」を視聴してそこから日常系にハマり、「ゆるゆり」と「NEW GAME!」を立て続けに観ました。特に「けいおん!」は日常の尊さを感じる素晴らしい作品でした。日常系は今も別の作品を視聴中なので、ひと段落したときにまたブログにまとめたいと思います。

 あとはリアルタイムでやっていた「白い砂のアクアトープ」も印象に残る作品でした。1クール目は青春の色が強かったのですが、2クール目から仕事の話になり、一つのアニメで2ジャンルが楽しめました。加えてガールミーツガールの要素もしっかりあり、風花とくくるが互いの人生に影響を与え合い、二人の関係性が発展していく過程も楽しめました。個人的に好きな要素がいっぱい詰まった作品で、P.A.WORKSの作品が好きだというのを再確認しました。

 漫画では芦原妃名子先生の作品を読んでいました。「砂時計」、「Bread & Butter」、「Piece」を続けて読んだのですが、どれも人の心の強さと弱さに触れている作品で、自分の心にも物語の海を漂いながら、迫ってくるものがありました。こちらも詳細は後日ブログにまとめようと思います。

 さらに11月は野球の日本シリーズ京アニフェス、小説「彼女が好きなのはホモであって僕ではない」も印象に残っています。簡単に触れると日本シリーズは大激戦が多く、ベイスターズファンの自分でも野球の面白さを感じるシリーズでした。京アニフェスは京アニ作品の曲をいろいろと演奏するというので、配信ですが楽しめました。好きな作品の曲が聞けて楽しかったですし、カバーとはいえ「けいおん!」や「涼宮ハルヒの憂鬱」、「らき☆すた」の曲も聞けて大満足でした。小説カノホモも青春小説として自分が読んだ中でもトップクラスの作品で、情景の鮮烈さなどが印象に残ります。ブログにまとめようとしたのですがうまくいかず、いつかは何らかのテーマで言及したいと思っています。

 また12月はゲームをだいぶやっていました。タイトルは「BLUE REFLECTION/帝」です。これは2017年に発売された「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」の続編で、今年になってアニメ、コンシューマーゲームスマホゲームで続編が出ると発表されたうちのコンシューマーゲームのものです。岸田メルさんのイラストが好きで、そのキャラクターを操作して戦えるというのと、前作に比べて操作の違和感(学校にいるときのアングルが変えられない等)が解消され、戦闘システムも面白くなっており、デートといった要素も含めていろいろと楽しめました。久しぶりにのめりこんだゲームでした。まだ達成していない個所もあるのですが、時間をおいてまたやれたらと思っています。

 

 最後に全体を見ると体調が悪い期間もありながら、家にいる時間を生かして色々楽しめたかなと思います。惜しむらくはもう少し読書の時間を増やしたかったですが、それはまた来年に持ち越しとしようと思います。来年はまた状況がどのように変化するかは分かりませんが、できる限り健康で過ごせたらいいなというところで振り返りを終わろうと思います。今年も残りわずかですが、一年間ありがとうございました。

将棋語りその5(大山VS升田全局集)

 2016年に日本将棋連盟より刊行された『大山VS升田全局集』を読み終えたので、その感想をまとめようと思います。

 

 大山康晴十五世名人と升田幸三実力制第四代名人は主に昭和の中期に活躍した偉大な棋士で、本書にはこの二人が直接戦った対局が全174局収録されている。この二人の公式戦の記録は167局で大山十五世名人から見て96勝70敗1持将棋となっている。なぜ差があるかというと本書では千日手を1局でカウントしていたり、非公式戦が含まれていたりするからである。

 本書を読む前はこの二人の対戦というと、有名なエピソードを知っていて、その中の何局かを並べたことがある程度であった。例えば高野山の決戦での大頓死、「名人に香車を引いて勝つ」、升田先生の三冠独占、升田式石田流シリーズの名人戦といったものである。今回本書を読み、二人の対戦だけでなく昭和中期の将棋界の歴史も垣間見ることができた。

 戦型に関して言えば、矢倉と対抗形がメインだった。p.116の表から数字を拾うと、矢倉が68局、対抗形が59局で半数以上を占めている。角換わりや相掛かりといった他の相居飛車はあるものの、相振り飛車は1局もなかった。矢倉と対抗形は自分の好きな戦型であるので、並べていてとても楽しかった。また将棋の内容では升田先生が現在にも通じるようなスピードで手を組み立てていくのに対し、大山先生が強靭な受けでそれに対抗していくというものが多かった。升田先生の将棋の革新性については多く言及されているところであり、本書でも多く見られたが、それに負けない大山先生の受けも強く印象に残る。大山先生の受けの強さも広く言及されるところではあるが、この受けの強さは升田先生との勝負の中で培われていったのではないかというくらいに、升田先生の攻めを跳ね返す力がとんでもなかった。そんなふうに棋風の異なる二人の勝負は力がうまくぶつかり合っていてとてもおもしろく、熱戦を堪能できた。

 加えてこの二人の勝負でいえば升田先生が時代に翻弄されている点にも言及したい。まず初期には棋戦の制度が固定されておらず、その変更に苦しんでいた印象を受ける。例えば高野山の決戦として有名な第7期名人戦挑戦者決定三番勝負は前年まではA級1位が挑戦していたものが、規定の変更でA級1位、2位、3位とB級1位のプレーオフとなり生じたものである。そしてこの勝負は第3局で升田先生が大頓死を食らい、A級優勝にもかかわらず名人戦への挑戦権を逃している。また第2期王将戦被挑戦者決定三番勝負は、王将を持つ升田先生と名人を持つ大山先生が、王将戦七番勝負へのタイトル保持者の立場での出場をかけたという奇妙な勝負である。そしてこれに敗れた升田先生は七番勝負に出場することなく2敗で王将位を失冠している。こういった制度は主催社が升田先生を嫌ったため等のさまざまな推測がなされているが、とにかくこういった不条理ともいえる制度変更に翻弄されていたといえるだろう。

 さらに晩年になると升田先生が休場することが増え、また対局していても粘り切れずに、また持ち時間をさして使わずに土俵を割るような展開が目立った。これは体調の問題だが、さかのぼると升田先生は太平洋戦争で兵士として動員されており、その影響で体調が安定しなくなったと言われている。三冠を独占した頃の升田先生の将棋は手が付けられないほどの強さだったが、その後は体調の問題からか全部ではないものの粘り切れない将棋が増えていって、結果大山先生の全盛期を許している。歴史にたらればはないものの、もし升田先生が体調が万全であればもっとおもしろい将棋が生まれていたかもしれず、そこは悔やまれるところである。

 

 以上で感想を一区切りとしたい。いろいろ述べたがこの二人の中終盤の強さはやはりとんでもないものがあるので、矢倉や対抗形が好きな人にはぜひ並べてみることをおススメしたい。