いののすけのブログ

いろいろ語りたい一人の人間のブログ

今年の振り返りその2(今年観たアニメとかの話)

 前回今年ハマった麻雀とVtuberの話をしたので、今回はその他もろもろのこと(アニメを中心に)を振り返っていこうと思います。

 

 まず仕事に関してですが、同じ部署の人が海外出張になった影響で、業務量がかなり増えました。また部署で初めて後輩ができたこともあり、その指導もあって10月以降は相当忙しかったです。まだ大変な日々は続くと思いますが、少しでも業務量が減るよう祈るばかりです。

 

 また将棋観戦に関してですが、麻雀にハマったこともあり、特に10-12月はあまりできなかったので簡潔に。今年もタイトル戦は藤井聡太竜王を中心に動いていて、できるときはAbema等で観戦していました。タイトル戦では第1局に敗れることもあってどうなるかと思ったのですが、最後は勝っていて本当に強すぎると思ったものです。また女流棋戦ですが、里見香奈女流五冠と西山朋佳女王・女流王将が多く激突しており、二人が良く指す独特の相振り飛車の好局を多く観れたのも、振り飛車党としては嬉しかったです。以下では印象に残った将棋をいくつか挙げようと思います。

 

・第71王将戦七番勝負第1局

 藤井聡太竜王が五冠を目指して渡辺明王将に挑戦した第1局。終盤がシーソーゲームでどちらが勝つかわからない展開で、新年早々画面に釘付けになっておりました。今年屈指の好局といえると思います。

・第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局

 藤井聡太棋聖永瀬拓矢王座が初めてタイトル戦で激突し、2度の千日手の末、永瀬王座が先勝して迎えた第2局。最後飛車を取る手が敗着になったのは驚きでした。その一瞬のスキをついて藤井棋聖が勝利したのですが、またしてもその終盤の切れ味に衝撃を受けました。

・第72回NHK杯戦1回戦第17局

 今泉健司五段と里見香奈女流四冠の対戦となった本局。相中飛車から里見女流四冠が3筋に飛車を振り直し、相手の玉頭からスクラム攻めを敢行しました。途中までは里見女流四冠が優勢だったものの、今泉五段が執念の粘りで逆転勝ちを収めました。迫力のあるぶつかり合いが印象に残っています。

 

 次に麻雀観戦についてです。上でも触れたとおり、10月以降将棋観戦があまりできなかったのは、Mリーグが始まったことが影響の一つとしてあります。麻雀にハマり、Mリーグを観ようと思って今年開幕した2022-23シーズンを観ていたのですが、これがとても面白く、麻雀観戦にどっぷりハマっていきました。また同時期にやっていた麻雀最強戦も観ていました。

 Mリーグでいうといろいろ印象に残る場面はあるのですが、10/7の第2試合と12/22の第2試合、渋谷ABEMASの多井隆晴プロ、U-NEXT Piratesの小林剛プロ、KADOKAWAサクラナイツの堀慎吾プロの3人がぶつかった試合が特に印象に残っています。

 10/7の試合は小林プロが多く放銃してしまい、3着と21,500点差の4着に沈みました。ここまで多井プロと堀プロの七対子が刺さっていて、七対子でよくこれだけ的確に和了れるなと驚いていたのですが、この試合すごかったのはここからでした。この後小林プロは小さな和了りを積み重ねた後親番で大物手を成就させ、2位まで浮上します。ただ堀プロに満貫を放銃し、再び4位に転落。それでもオーラスに七対子を一発で成就させ、3位浮上しました。この試合は強者の七対子の精度の高さに衝撃を受けたのはもちろん、何度逆境に見舞われてもそのたび浮上してくる小林プロの強さがとても印象的でした。

 12/23の試合は東場で今季絶好調のTEAM雷電・本田朋広プロが牽引するものの、南場で堀プロが親番での加点を積み重ね、トップを取りました。この試合はそれぞれにいろいろな技があり楽しめました。南2局2本場で堀プロが切り遅れた本田プロのリーチ宣言牌をとらえたり、南3局全体でうまい鳴きから連荘を積み重ねた堀プロや最後テンパイ外しからしっかり和了って2着をキープした小林プロなど見ごたえがありました。ただこの日2連勝でしっかりポイントを原点付近に戻してきた堀プロはさすがだなと思っていました。

 また麻雀最強戦でいうと将棋の鈴木大介九段が印象に残ります。強すぎてプロ予選からの参加となっていたのですが、力強い和了を連発し、前年度ファイナリストの醍醐大プロ、かつて最強位を獲得した前田直哉プロ、前年度までMリーガーだった石橋伸洋プロ等を圧倒していたのには衝撃を受けました。ファイナルでは2ndステージで渋川難波プロ、菅原千瑛プロに勝利していたのですが、和了を取らずにフリテンリーチを敢行し、それでドラを力強くツモッた手順などは信じられない気持ちで観ていました。この勢いでまた優勝かとも思っていたのですが、決勝はとんでもない戦いでした。技術を超えて気迫をお互いにぶつけあっているような戦いで、こんな麻雀があるのかと魅入ってしまいました。リーチを受けても一歩も引かず、牌効率なんて知ったものかという戦いで、すごい世界だと感じました。(自分はマネできないので、粛々と牌効率をしっかり勉強しようとも思いましたが)和了が入り乱れ、南3局で鈴木大介九段がリードし、このまま最強位かとも思いましたが、瀬戸熊直樹プロが高めの1索をツモリ、3000・6000の跳満で逆転し、オーラスも鈴木九段、友添敏之プロに逆転のチャンスがあるも掴めず、瀬戸熊プロが連覇を果たしました。すごすぎてただただ圧倒された試合でしたし、解説の多井隆晴プロの涙にも思わずグッときました。麻雀観戦の面白さをとても感じた試合で、今後自分ももっと強くなってさらに楽しめるようになりたいとも思いました。

 

 次はアニメに関してです。今年は12月を除いては結構アニメを観ていました。(12月観れなかった理由は後述します)なのでまず今年のアニメから面白かった作品をピックアップし、その後旧作を列挙して一言ずつくらい感想を綴っていきたいと思っています。(ネタバレ含みます)

 

・『その着せ替え人形は恋をする』

 この作品は喜多川さんのキャラもさることながら、オタク趣味に(とてつもなく)理解のある五条くんのキャラとその関係性がとても面白いアニメでした。その作品のコスプレ衣装を作るためにエロゲを全攻略したり、アニメを全話視聴したりとその献身ぶりがすごいなと思っていました。ツイッターで誰かが五条くんスパダリ作品だとつぶやいていて、妙に納得したのを覚えています。もちろん喜多川さんもギャルながら重度のオタクというギャップがあり、キャラにとても魅力を感じましたし、ラブコメとしてとても面白い作品でした。

・『明日ちゃんのセーラー服』

 この作品はただ1人憧れだったセーラー服で学校に通う明日ちゃんとそのクラスの面々との交流を描いた作品です。この作品もキャラがたっていて、エピソード一つ一つが面白かったです。個人的には木崎さんの明日ちゃんへの百合的感情を感じ取って楽しんでいました。それもあって第12話のダンスの場面は胸を打つものがありました。

・『パリピ孔明

 この作品は孔明が現代に転生し、一人の歌手をプロデュースする作品で、かなり斬新な設定でどうなるかと思っていたのですが、とても面白い作品でした。三国志ファンにはたまらない知略の絡め方や、展開の面白さに毎週楽しんでいました。もちろん歌も主人公英子の歌唱を96猫さんが務めるなど盤石な布陣で、素晴らしい作品でした。

・『可愛いだけじゃない式守さん』

 この作品は原作を読んでいて、また動画工房制作ということもあって楽しみにしていたのですが、期待を裏切らない面白さでした。性格が悪い人がいない優しい世界のラブコメ作品という感じなのですが、その世界観がアニメでもしっかり再現されており、そこにアニメ的な表現がしっかりと加味されていて、すっかり楽しみました。式守さんは可愛いです。

・『Engage Kiss』

 布陣が盤石で裏切らないだろうと思って観ていましたが、やはり面白い作品でした。ハーレムになる展開などラブコメのお約束がふんだんに詰め込まれていて、ラブコメ好きにはたまらない作品でした。

・『リコリス・リコイル』

 今年No.1作品です。もう千束とたきなの関係が尊すぎました。3話でたきなが心を開いてからの4話のお出かけやたきなのパンツ騒動、5話の最後で千束の心臓の音を聞くシーン、6話のじゃんけんで勝ち喜ぶたきなと負けに驚く千束、9話の健闘を祈って離れるシーン、12話の「心臓が逃げる」等、挙げればきりがないくらい印象に残るシーンがあります。円盤も買いました。もう二人の関係性が百合としてみても完璧すぎて、この頃は『リコリス・リコイル』を観るために生きていたといっても過言ではないかもしれません。

(以下秋アニメは12月以降分が観れていませんが、その前までを踏まえて話します)

・『虫かぶり姫』

 少女漫画のスパダリ作品(『ハニーレモンソーダ』や『ゆびさきと恋々』等)が好きなのですが、こちらもそれに劣らぬクリストファーのスパダリっぷりに毎週キュンキュンしていました。もちろんこう言った作品は主人公のキャラの魅力も大事なので、エリアーナのキャラも好きでした。

・『ぼっち・ざ・ろっく!』

 主人公のぼっち感が最初はハマらなかったのですが、徐々に魅入られていきました。8話のタイトル回収も鮮烈でとても面白い作品です。あと陽キャの喜多ちゃんがとてもかわいいと思います。

・『チェンソーマン』

 自分の好きな漫画家の一人である横槍メンゴ先生が絶賛していたのでいつか読もうと思っていたのですが、アニメ化を機にアニメで観ることにしました。展開の衝撃等がすごくてうまく言葉にできないのですが、とても面白い作品だと思っています。原作を読んでもう少し深めてみたいです。

・『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

 百合ガンダムというのを聞きつけて観てみたのですが、そんな生半可な気持ちで観るべきではなかったと後悔した作品です。確かにスレッタとミオリネの関係性は百合だなと思うのですが、展開が重すぎて見るのが大変な作品です。もちろんおもしろいのですが。特に6話は自分の中でトラウマ級です。2クール目は来年4月からとのことなので、その間に旧作のガンダムを少し観て備えようと思います・

(以下旧作)

・『がっこうぐらし!

 ゾンビとは知っていたのですが、思っていたよりゾンビでした。きらら系の絵柄との対比が鮮烈で、衝撃を受けました。原作では続きがあるそうですが、読みたいような読みたくないようなといった感じです。

・『まちカドまぞく』

 魔法使いと魔族の対決なのに、緩すぎてどうでもよくなるその雰囲気がたまらないです。なんとなく『天体戦士サンレッド』を思い出しました。個人的に桃のキャラがいいなと思うのですが、どうでしょうか。

・『恋する小惑星(アステロイド)』

 きらら系ながら主題歌も含めて落ち着いた雰囲気が自分に刺さりました。その中でそれぞれに変化があって、気持ちの揺らぎ等もすごく印象に残ります。個人的にはイノ先輩が好きです。

・『Another』

 ホラー系は敬遠していたのですが、P.A.WORKSの作品ということもあり、思い切って視聴しました。描写のホラーは『ハッピーシュガーライフ』で若干耐性があったのと、ミステリー要素も強かったので、なんだかんだ楽しめました。(最後のバトルロイヤル的展開には驚きましたが)犯人というか元凶も予測できず、ハラハラしながら楽しめました。

 

 最後に12月にはポケモンにハマっていたので、簡単にその話をします。ポケモンはエメラルドを最後にプレイしていなかったのですが、Vtuberが多くプレイしているのを観て、久しぶりに遊ぼうと思い購入しました。まずストーリーがとてもよかったです。特にスター団の話は感動しました。あとプレイという点でもオープンワールドでいろいろな場所に行ける、ポケモンが実際に生息していて動いている、登場人物のキャラも魅力的で、12月はのめりこんでいました。(そのおかげで他の趣味が停滞しました)この年齢でこんなにポケモンが楽しめるとは思っていませんでしたが、改めて任天堂の強さを感じました。

 

 以上で長くなりましたが振り返りを終えようと思います。来年の目標は来年にまた立てようと思います。なんだかんだステイホームの生活にも慣れてきて、家の中でもたくさん楽しみを見いだせたので、そこまで悪い年ではなかったのではないかと思っています。

今年の振り返り1(麻雀とVtuberにハマった話)

 今年も残りわずかとなったので、例年通り1年を振り返ろうと思います。いつもは3か月ごとにいろいろ振り返っているのですが、今年に関しては麻雀とVtuberにハマり、これを抜きには振り返れないところなので、まずこの2つを取り上げ、次回その他の面に関して振り返ろうと思います。

 

 まずは麻雀に関してです。麻雀はかねてからやりたいと思っていたのですが、なかなか食指が伸びていませんでした。ただ今年はゴールデンウィークに時間があり、ちょうどそのころ読んだ別冊マーガレットの付録に雀荘を舞台にした漫画が載っていて、なんとなく始めてみようと思いました。最初はアソビ大全でCPUと戦ってみたのですが、全くといっていいほど勝てず、悔しかったので買ってあった入門書をしっかり読みました。すると少しずつアガリができるようになり、楽しさを見出せるようになってきました。そのなかで周りの友人とも打ってもらったのですが、レベルの差が歴然としており、これも悔しかったので、さらに本を読み勉強しました。また雀魂の段位戦も始めて、のめりこんでいきました。加えて麻雀プロのYouTube(主に多井隆晴プロ)を観てプロに興味を持ち、ちょうどやっていた神域リーグを観戦しました。そして麻雀観戦にもハマり、10月に始まったMリーグも視聴し始め、また近代麻雀も買うようになり、どんどんハマっていきました。

 麻雀の面白さは選択にあると感じています。何を切るか、鳴くか、テンパイ時にリーチするか、攻めるか守るか等、選択が多くあって、難しいながらも考えて選択していくのが楽しいです。麻雀は運要素もそれなりにあって、正しい選択をしても勝てるわけではないのですが、それでもミスをして勝てないということが多くて、やはり選択が大事なのかなと考えています。いろいろな要素で判断が変わってくるので、常に考えながらなんとか勝てる道を模索していくそのプロセスがとても楽しいです。

 今は雀魂では雀傑に到達しましたが、そこから思うように勝てない日が続いています。ただ強い友達に聞いてみるとミスが多くあるので、そのミスを減らせるように本を読んだりして勉強しています。負け続けて悔しいことも多いですが、あとから冷静に振り返るとミスをしていることが多く、実力が足りていないと感じています。また麻雀は観るのも楽しいので、Mリーグを観て楽しんでいるとまた打ちたくなったりもします。Mリーグを観てると自分では理解できない選択も多く、その解説を聞いたりすると勉強になりますし、またドラマも多くあってとても面白いです。観戦を楽しみながら、実力をつけて楽しんでいきたいと思っています。

 

 次はVtuberに関してです。麻雀とも関連していくのですが、神域リーグを観たり、多井隆晴プロのYouTubeを観ていくうちにVtuberに興味が出てきて、いろいろと観るようになっていきました。面白い企画があったり、ゲーム実況が面白いことも多くて、最近はよく観ています。

 特に好きなのは因幡はねるさんと千羽黒乃さんでメンバーシップにも加入しています。因幡さんは企画力と司会力が抜群で、面白い配信が多いです。また雑談も面白く、とても楽しんでいます。頭の回転の良さやゲストを活かす進行が面白いのに、突如卑屈になったり、とんでもないことを言い出したりするそのアンバランスさに惹かれています。

 また千羽さんはとにかくトークが面白いです。それを麻雀を打って自分の思考を説明しながらやっているので、本当にすごいと思っています。また負けても決してネガティブなことを言わない姿勢など麻雀と向き合う態度は本当に尊敬しています。ただ性癖のショタ語りになると、麻雀以上に饒舌になる感じも普段とのギャップでとても面白いです。

 この2人を中心に最近は他のVtuberの配信も観ています。ただ切り抜きを観ることが多かったので、これからは生配信ももう少し観れたらいいなと思っています。

 

 以上今年ハマったものを述べていきました。こういったことに新たにハマったこともあり、趣味の時間がますます足りないと感じることも多いですが、うまくバランスをとっていろいろと楽しめたらいいなと思っています。

 次回はアニメや将棋などその他の趣味を振り返ろうと思います。

百合作品探究その1~『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』~

 自分の好きな、あるいは気になった百合作品の感想に言及しながら、百合について考えていきたいと思っています。最初はKADOKAWAより刊行されている『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』です。(以下ネタバレを含みます)

 

 まずは作品の概要です。『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』はその名の通り百合作品のみを集めたアンソロジーです。KADOKAWAより刊行されており、2016年から2019年の間に5巻が刊行されています。百合という以外には統一されたテーマもなく、多種多様な百合作品が収録されています。

 

 一通り読んでみてまず思ったのは、百合というものの多様性です。百合作品は大前提として女性同士の関係性というところから出発していますが、それでも恋愛というだけではなく、ほかの人とは違う特別な友情などの恋愛まではいかない感情までも包摂しています。また学生同士から会社の先輩・後輩など関係も多様です。その中でそれぞれに違った感情の表現や好意の発露の仕方があり、自由度が高いと感じています。この多様性による自由度こそが百合の魅力の一端であり、本アンソロジーではそのあたりを存分に味わうことができました。

 

 以下ではいくつか印象に残った作品を取り上げます。(以下はシリーズ、作家、作品名、ページ数はKADOKAWA刊『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』に依拠しています。)

 

 1.唯野影吉『GAME OVER』(無印、p.165)

 この作品は山奥の廃墟で世界滅亡ごっこをする二人を描いた作品です。廃墟というエモさを感じる場所でいちゃいちゃする女子二人とかもう言葉抜きで最高じゃないか、ということを感じた作品でした。

 

 2.カボちゃ『もう夏は来ないけれど』(blanche、p.131)

 この作品は優秀な姉に対しコンプレックスを抱いている女子が、一緒にいると居心地がいい先輩と過ごす夏を描いた作品です。姉妹コンプレックスという側面と、そんな感情を持つ自分を肯定してくれる先輩に思いを伝える場面にグッとときました。

 

 3.北尾タキ『サトと泪と女と女』(bleue、p.205) 『レジェンドと新人と私』(rouge、p.189)

 これらは職場の先輩・後輩を描いた作品です。どちらも競い合うライバル関係がみられること、後輩のほうが積極的であることなど自分の性癖に刺さる要素が多く、とても楽しく読みました。

 

4.あらた伊里「ティアドロップス」(orange、p.51)

 この作品は年齢が低いことにコンプレックスを持つ女の子と、年上だけど幼く見える女子の話です。年上だということがわかったあと、年下のふりをしていたのは甘えたいからという種明かしがされ、年下に甘える甘えんぼな年上とか最高じゃないかと、新たな性癖を開拓した作品でした。

 

 『エクレア あなたに響く百合アンソロジー』を読んで、多様な百合作品に触れ、自分の好きなものを再確認したり、新たな好きを発見したりできました。そういった意味でも百合への導入として素晴らしいアンソロジーだなと思いました。

 

 次回は『百合ドリル』の予定です。

少女漫画感想2~咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』~

 少女漫画の感想を述べていくシリーズ。今回は咲坂伊緒先生の『ストロボ・エッジ』です。(以下ネタバレを含みます。)

 

 まずは作品の概要です。『ストロボ・エッジ』は別冊マーガレット平成19年7月号から平成22年9月号にかけて連載された、咲坂伊緒先生の初の長編連載作品です。物語は初めて恋をした仁菜子とその相手である蓮、そして仁菜子に恋をする安堂の3人を中心に展開されていきます。

 

 前回短編集の感想でも触れたところではありますが、やはり付き合うまでの葛藤する時間や思いがすれ違う場面での表現が秀逸だなと感じました。この3人の間でもそうですが、そのほかの登場人物との関係性の中でも、それぞれ気持ちが揺れ動き、葛藤する中で物語が展開していきます。そのなかで登場するモノローグやコマ割りはやはり印象に残るものがあり、この作品の好きなところになっています。

 ただ『ストロボ・エッジ』を好きな理由は、その導入の素晴らしさにもあると感じています。1話から4話までで仁菜子が蓮を好きになり、初恋を自覚し、そして告白するまでが描かれます。この部分では、些細ながらいくつかのきっかけの積み重ねで恋に気づいて、世界が変わって見えるといったうれしさ、相手に彼女がいると知って、それでも自分の気持ちを大事にしたいと感じ、そこから生じる切なさといったものが情緒たっぷりに描かれています。この導入があるからこそ、その後の蓮を忘れたいけど忘れられないといった苦しさや、安堂のやさしさに触れて揺らめく気持ちといった描写が際立ち、作品の印象がより強いものになっています。この導入部分も自分が『ストロボ・エッジ』を好きな理由です。

 

 以下では印象に残る場面をいくつか述べてみたいと思います。(以下巻数と話数は集英社刊『ストロボ・エッジ』より参照)

 1.「秋と冬の匂いが丁度半分になった!」(3巻、第11話)

 仁菜子と蓮、安堂の3人がバイト終わりの帰り道で蓮の彼女である麻由香と遭遇し、一緒に帰る場面です。蓮も匂いを嗅ぎながら「半分だ」とつぶやいているところに、仁菜子が上記の言葉を叫びます。ちょっとしたことながら二人にしか共有できない感覚というものが垣間見え、思わずドキッとしてしまいました。

 

 2.「つかまえた」(6巻、第20話)

 木に挟まった猫を助けたら自分の髪が木に引っ掛かり、身動きが取れなくなった仁菜子に対し、その猫を追ってきた蓮が不意に抱き着く場面です。突然の密着とそのあとも髪をほどく間に続く接近に、ドキドキが止まりませんでした。

 

3.「答えるまで帰さない」(9巻、第34話)

 安堂への後ろめたさから蓮の告白を断った仁菜子ですが、蓮への想いを忘れられず教室で一人になったとき蓮の席に座り、それを蓮に見られて逃げようとしたときに、蓮に通せんぼをされます。蓮の必死な姿に高揚感がありました。

 

 今回『ストロボ・エッジ』を読んだのは2回目ですが、やはり自分の好きな作品であることを再確認しました。これ以降もまた咲坂伊緒先生の作品を読もうと思っていますが、それがとても楽しみになりました。

 

 次回は咲坂伊緒アオハライド』の予定です。

少女漫画感想1~咲坂伊緒恋愛女子短編集~

 読んだ少女漫画の感想を簡単にでもいいので、少しずつ残していこうと思っています。最初は咲坂伊緒先生の短編集『咲坂伊緒 恋愛女子短編集 君ばっかりの世界』と『咲坂伊緒 恋愛女子短編集Ⅱ マスカラ ブルース』についてです。

※以下ネタバレを含みます。

 

 まずは作品の概要です。咲坂伊緒恋愛女子短編集はそれぞれ2014年と2016年に集英社文庫より発売された、2冊で計11作品が収録された短編集です。作品は2001年から2007年の間に雑誌に掲載されています。

 全体を通して印象に残るのは、付き合うまでの葛藤する時間や思いがすれ違う場面の表現力です。咲坂伊緒先生の作品は後の『ストロボ・エッジ』や『アオハライド』でもそうですが、好きになってから付き合うまでの時間が長いです。その間に気持ちが揺れ動き、思いを伝えるかどうかで葛藤し、逡巡します。それらを表現するモノローグやコマ割りがとても印象的で、そこの表現にすごく惹かれたので、自分は咲坂伊緒先生の作品が好きなのだというのを、改めて感じました。

 以下ではそれらの描写を中心に、印象に残った作品を振り返ってみようと思います。

 

1.君ばっかりの世界

 『君ばっかりの世界』はデラックスマーガレット2004年5月号に掲載された作品です。中学3年の野球部の最後の試合で負けたことに対し「悔いだらけです」と素直に吐露した男子と、それを聞いて恋をした女子の関係が中心となっています。この作品で印象に残るのはラスト20ページ程の帰り道での場面です。お互いが相手は自分じゃない誰かを好きだと思い込み、それでも好きだと伝えたいと思い、葛藤します。その間の心の揺れを丹念に描いているので、最後思いを伝え合うまで気持ちの揺れを追体験するような感覚になりました。モノローグやコマ割りにとても魅せられ、まさに自分が好きな咲坂伊緒ワールドがぎゅっと詰まった短編でした。

 

2.明日見る夢

 『明日みる夢』はデラックスマーガレット2005年7月号に掲載された作品です。好きな男子と同じクラスになり、友達の関係になってしまったことで告白ができず、その間に別のクラスの女子がその男子にアプローチしだすという作品です。この作品は一場面が印象に残っています。それは別のクラスの女子と会った際に「自分が別のクラスだったら告っていた」と伝え、それに対し「ほんとに?」と返された場面です。この「ほんとに?」のあとに真顔で向かい合う二人の描写が1ページ挿入されているのですが、たった一言ながら力強い言葉とその後の余韻に思わず引き込まれました。また最後結局失恋し、後悔を抱えながらも前を向くラストも印象に残りました。

 

3.ピカピカオレンジ

 『ピカピカオレンジ』はデラックスマーガレット2004年1月号に掲載された作品です。第一志望に落ちてしまったために腐っていてクラスでも孤立している女子と、その女子に話しかける男子の作品です。男子に気持ちをぶちまけることがキッカケで世界の見方が変わって事態が好転しはじめ、最終的にその男子を好きになるという王道展開ですが、1ページ使って表情の変化のみで気持ちを描き出す箇所や、最後のモノローグが印象的で、これも咲坂伊緒先生の魅力を感じる作品でした。

 

4.ロマンスの輪郭

 『ロマンスの輪郭』はデラックスマーガレット2007年1月号に掲載された作品です。バス停で転んだ時に助けてくれた男子がいて、その男子と同じ特徴を持つものの性格が苦手な男子との恋愛を描いた作品です。徐々に惹かれていくものの嫌われていると男子に勘違いされ、それでも好きという思いを言葉にしたいと思い立ってからラストまでの疾走感が心地よく、また連ねられていく言葉もテンポよく、読後感の良い作品でした。

 

 全体を通して『ストロボ・エッジ』以降の長編作品にも連なる咲坂伊緒先生の作品の魅力がたっぷり詰まった短編集で、とても楽しく読みました。咲坂伊緒先生の作品に関してはまだ語りたいこともありますが、それは次回以降長編の感想を書く際にさらに踏み込んでいこうと思います。

 次回は咲坂伊緒ストロボ・エッジ』の予定です。

今年の目標2022

 あけましておめでとうございます。今年も新年の目標を決めることから始めていきたいと思います。新年を区切りに目標を決めても、なかなか達成できなくて形骸化することが多いとはよく言われることですが、ただ普段やりたいと考えていても、こうした区切りがないとなかなか言語化する気にならないというのもあるので、気にせず記していこうと思います。

 まず去年の目標の振り返りですが、甘めに見てまあまあ達成できたのではないかと思います。第一に積読の消化は多少進みました。購入する本が多いので積読の量はなかなか減っていないのですが、それでももう読まないであろう本を捨てたり、電子書籍の導入をしたりで、整理はできました。第二に運動はすることができました。「リングフィットアドベンチャー」は偉大でゲーム感覚で運動を楽しめ、継続することができました。なぜだかわからないのですが、社会人になってから大学時代に比べて体重が10kg減り、加えて「リングフィットアドベンチャー」のおかげで心なしか筋肉もついてきた感じで、健康体になってきました。なので今年も継続して今の状態をなるべく維持できればと思います。第三にブログを書くことですが、こちらはあまりできませんでした。書きたいことはあったのですが、自分の中でなかなかまとまらず、うまく形にできませんでした。そうしているうちにブログで書くことが億劫になっていき、さらに書けなくなるという悪循環に陥っていました。おそらく内容のあるものを書こうと意識して力みすぎていたところがあるので、反省したいと思います。

 以上を踏まえて、今年は3つの目標を立てようと思います。

 

 まずは健康を維持することです。これは目標というよりは願望です。去年の振り返り記事でも書いたのですが、コロナ禍で不安になることが多く、体調を崩していた時期がありました。どうしようもないことではありますが、そういうなかで健康の大切さを再認識しました。ただ悪いことばかりではなく、そうした時期でも余力のある時に小説やマンガを読んだり、アニメを観たりして、好きなものに助けられながら乗り切ることができ、趣味の価値を再認識した一年でもありました。回復した後は将棋も集中して取り組めるようになり、おうち時間をなんだかんだ楽しく過ごせました。そういった事情もあるので、今年は健康に気を付けたいと思います。具体的には基本的な感染対策(ソーシャルディスタンスの確保、手指の消毒、マスクの着用等)の継続と食事、運動、睡眠に気を付けて免疫力を高めておくことです。特に睡眠は趣味が楽しくて寝るのが遅くなることも多かったので、今年はなくしていきたいと思います。あと不調の時期でも時間が解決してくれることもあると思うので、そういったときに無理をしないことも大事にしたいと思います。今年は仕事も増えそうなので簡単ではないと思いますが、願望込みで健康の維持をしたいと思います。

 次に将棋に関してです。今年は指す戦法の幅を広げたいと思います。いままで基本四間飛車一本槍で来て、それでも問題はなかったのですが、最近少しマンネリ化を感じるようになりました。また四間飛車対策も多様化してきて、それらにうまく対応できずに序盤から悪くしてしまい、押し引きの過程を楽しめないことが増えてきました。そんな中でも希望はあって、去年耀龍四間飛車を勉強して指し始めたのですが、久しぶりに新しい戦法を習得していく過程は楽しく、マンネリ気味だった自分の将棋に新しい風が吹きましたし、また将棋を組み立てていく楽しさを再確認することもできました。そこでかねてから他の戦法も指せるようになりたいと考えていたこともあり、今年は新しい戦法の習得を目指したいと思います。具体的には三間飛車中飛車です。居飛車でもいいと思うのですが、やはり振り飛車メインでずっと指してきたというのもあり、これからも居飛車を取り入れてもメインは振り飛車で指し続けたいと考えています。そこで高校時代に習得しようとしてうまくいかなかった三間飛車中飛車に、棋力もその頃より上がった今もう一度取り組むことで、自分の将棋の幅を広げられたらと思います。といっても大変だと思うので、戦術書をそれぞれ3冊程度は読み、実戦で試す段階にできれば成功にしたいと思います。

 最後にブログに関してです。去年ブログを書きたいと思ってもなかなか書けなかったのは前述したとおりですが、だからといって書きたくないわけではありません。やはり書くことで思考が整理されたり、その時の感情や感覚を残しておけたりできるというメリットは大きいと思っています。そこで去年は内容をよくすることを意識しすぎて文章が紡げなかったので、今年はどちらかといえば自分のために、内容よりも自分の思考過程をあきらかにしていくことを大事にして書いていければと思います。もちろん内容も追求しますが、「わからない」ことを「わからない」と記すことも大事と思うので、もっと自分本位でその感情や感覚を抱いた理由を分析していって、ある段階の思考のまとめとして書いていきたいと思います。厳格ではありませんが、1か月に1記事くらいは書きたいと思います。

 

 どれも簡単な目標ではありませんが、そろそろ新しいことを始めるのも難しくなってきたり、変化の中で自分に刺さったものが刺さらなくなるといったことも出てくるかと思いますので、そういったものへの抵抗という意味でも、今年立てた目標はぜひとも達成できればと思います。最後になりますが、皆様の2022年が良い年になりますように。

今年の振り返り2021

 今年もあとわずかとなったので、1年の振り返りをしていこうと思います。今年で3回目ですが、書いてるうちに自分がどういうものに心惹かれたかを回顧でき、またのちに見返せる備忘録にもなっているので、今年も忘れずに記しておこうと思います。

 

 まずは仕事のことから。今年は総務の色が強くなった1年でした。経理の業務がどんどん離れて、そのかわりに総務の業務が増えていきました。大きな業務でいうと建設業の決算変更届や労災の年度更新(建設業だとやたら面倒くさい)、年末調整なんかをやりました。あとは他の社員から依頼のあった雑務をこなしていく感じでした。年末は特に忙しかったです。来年はここに衛生管理者等の業務も加わってくるので、さらに忙しくなることは必至で、今から少し憂鬱です。(第一種衛生管理者の試験を10日ほど前に受けてきて、合格した)まあもうなるようになれという感じで、体を壊さぬ程度に乗り切ろうと思います。

 あと今年も新型コロナウイルスが猛威を振るう状況はあまり変わりませんでした。結局不安から休日に外出はできませんでした。普段から結構病気への不安が強い自分としては、パンデミックはとてつもない不安を感じるもので、感染者が激増していた5月-8月はとてつもなく体調が悪かったです。その後9月になってワクチンを打つめどが立って、感染者が減ってきたあたりから落ち着いてきました。正直今の状況は知らず知らずのうちに結構体に来ているので、来年には収まってほしいというのが願いです。それでも今感染者が少し減っている状況なので、これが継続するようなら、来年は少し外出することも検討しています。今は体調も悪くないので、努力でどうにかなるものでもありませんが、少しでも状況の悪化を避けられればと思います。

 ネガティブな話が続いてしまったので、ここからは明るく趣味のことを振り返っていければと思います。例年通り3か月単位で振り返っていきます。(アニメや漫画のネタバレを含みます)

 

 まずは1-3月から。将棋では王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負が行われており、渡辺明名人が強さを発揮して両方防衛を果たし、渡辺名人の強さを感じました。この頃は自分の好きな棋士の一人である斎藤慎太郎八段がA級を勝ち抜けて名人戦の挑戦者になり、NHK杯では決勝に進出しており、嬉しい気持ちでした。NHK杯は惜しくも準優勝でしたが、応援している棋士の活躍を楽しめた期間でした。

 アニメではまず1月3日に地上波で放送していた「天気の子」に衝撃を受けました。セカイ系を究極に突き詰めた感じで、最後に陽菜を選択するのは個人的に突き刺さる終わり方で、年の初めから心の高鳴りがすごかったです。

 またこの時期に視聴した「のんのんびより」、「true tears」、「荒ぶる季節の乙女どもよ。」も印象に残っています。「のんのんびより」はすごくほっこりと癒されました。アニメにはストーリーがあるもののほうがいいと思っていたところもあるのですが、「のんのんびより」は日常系の良さを教えてくれた作品でした。

 「true tears」と「荒ぶる季節の乙女どもよ。」は岡田磨里作品を観たいということで観たのですが、どちらも好きな作品でした。特に「荒ぶる季節の乙女どもよ。」の爆発力はすさまじく、心の揺れがすごかったです。

 この時期にはリアルタイムで「五等分の花嫁」の2期や「ホリミヤ」が放映されており、かなりアニメ視聴に凝っていた時期でした。

 さらに配信で視聴したアイドルマスターシンデレラガールズのライブも印象に残っています。デレステを始めてから半年ほど経ち、曲の魅力にひかれていたころで、配信とはいえ迫力がすごく、とても心に残りました。その後アニメも視聴し、さらに惹かれていきました。

 

 次は4-6月です。この時期はゴールデンウィークを境に徐々に体調を崩していっており、将棋にあまり集中できず、AbemaトーナメントやNHK杯戦の視聴ができませんでした。それでもタイトル戦は何とか追っており、斎藤慎太郎八段の名人挑戦失敗は残念でしたし、藤井聡太棋聖の防衛戦は藤井棋聖の強さが印象に残りました。

 アニメは何とかリアルタイムで視聴できており、それ以外だと「妖狐×僕SS」が自分の好きなラブコメで面白く視聴していました。

 この時期は漫画を読んでゆっくり過ごすことが多かったように思います。印象に残ったのは「ハニーレモンソーダ」や「ReLIFE」です。

 「ハニーレモンソーダ」は王道の少女漫画という感じでしたが、主人公羽花の強さと界のカッコよさが突き抜けており、とても楽しめました。また「ReLIFE」は大学時代に読んでいたのですが、完結部分が未読でした。ところどころ考えさせられる展開や言葉が多く、こちらも楽しめました。

 

 次は7-9月です。この時期は前述した体調の悪さが頂点に達しており、一度出社できないくらいの状態にもなったのですが、家族の支えのおかげで何とか立て直し、ワクチンを打てるめどが立ったあたりから徐々に回復していきました。将棋は藤井聡太二冠と豊島将之竜王のダブルタイトル戦は何とか追っており、ハイレベルな攻防を楽しめました。

 アニメは「花咲くいろは」や「アオハライド」が印象に残っています。「花咲くいろは」はP.A.WORKSの仕事系アニメで、やはりところどころ考えさせられることが多く、心に染み入る作品でした。また「アオハライド」は原作が好きなのですが、アニメでもその良さはしっかりと残っており、ドキドキしながら視聴していました。「アオハライド」を含む咲坂伊緒先生の作品はまた別途まとめたいと思っているので、感想等はその時に記します。

 リアルタイムでは「探偵はもう、死んでいる」と「小林さんちのメイドラゴン」2期が印象に残りました。「探偵はもう、死んでいる」は自分の好きなジャンルであるラブコメとミステリーがふんだんに詰め込まれており、もう好きになるしかない作品でした。また「小林さんちのメイドラゴン」2期も1期に比べて、個々の人とドラゴンの関係にフォーカスしており、久しぶりの京都アニメーションテレビシリーズであることも相まって、とても印象に残りました。

 また9月ごろから徐々に体調が回復していったのですが、それに伴い積読していた百合漫画を読んでいきました。具体的には「百合ドリル」、「GIRL FRIENDS」、「ななしのアステリズム」、「ブルーフレンド」を立て続けに読み、どれもこれも心を打たれました。これにあわせて「コミック百合姫」も買い始めました。百合に関しては以前まとめたものの続きとして、またブログに書こうと思っているので、詳細はそちらに譲ります。

 

 最後に10-12月です。この時期はワクチン接種できて不安が和らいだこともあり、体調がだいぶ良くなり、将棋も楽しめるようになってきました。この時期は竜王戦七番勝負と王将リーグがあり、どちらもトップ棋士のハイレベルな対局が楽しめました。

 アニメは9月から10月にかけて「Kanon」を観ていました。「AIR」と「CLANNAD」と並んで語られることの多い作品ですが、「Kanon」もそれらに負けず劣らず印象に残る作品でした。ただ個人的には名雪との話の掘り下げが少し足りない感じがしました。あゆとの時系列の関係上仕方ないのかもしれませんが、そこだけ少し残念でした。それでもキャラクターは魅力的でしたし、視聴が終わった後はたい焼きを食べたくなるくらい心に残る作品でした。

 「Kanon」を観た後は「けいおん!」を視聴してそこから日常系にハマり、「ゆるゆり」と「NEW GAME!」を立て続けに観ました。特に「けいおん!」は日常の尊さを感じる素晴らしい作品でした。日常系は今も別の作品を視聴中なので、ひと段落したときにまたブログにまとめたいと思います。

 あとはリアルタイムでやっていた「白い砂のアクアトープ」も印象に残る作品でした。1クール目は青春の色が強かったのですが、2クール目から仕事の話になり、一つのアニメで2ジャンルが楽しめました。加えてガールミーツガールの要素もしっかりあり、風花とくくるが互いの人生に影響を与え合い、二人の関係性が発展していく過程も楽しめました。個人的に好きな要素がいっぱい詰まった作品で、P.A.WORKSの作品が好きだというのを再確認しました。

 漫画では芦原妃名子先生の作品を読んでいました。「砂時計」、「Bread & Butter」、「Piece」を続けて読んだのですが、どれも人の心の強さと弱さに触れている作品で、自分の心にも物語の海を漂いながら、迫ってくるものがありました。こちらも詳細は後日ブログにまとめようと思います。

 さらに11月は野球の日本シリーズ京アニフェス、小説「彼女が好きなのはホモであって僕ではない」も印象に残っています。簡単に触れると日本シリーズは大激戦が多く、ベイスターズファンの自分でも野球の面白さを感じるシリーズでした。京アニフェスは京アニ作品の曲をいろいろと演奏するというので、配信ですが楽しめました。好きな作品の曲が聞けて楽しかったですし、カバーとはいえ「けいおん!」や「涼宮ハルヒの憂鬱」、「らき☆すた」の曲も聞けて大満足でした。小説カノホモも青春小説として自分が読んだ中でもトップクラスの作品で、情景の鮮烈さなどが印象に残ります。ブログにまとめようとしたのですがうまくいかず、いつかは何らかのテーマで言及したいと思っています。

 また12月はゲームをだいぶやっていました。タイトルは「BLUE REFLECTION/帝」です。これは2017年に発売された「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」の続編で、今年になってアニメ、コンシューマーゲームスマホゲームで続編が出ると発表されたうちのコンシューマーゲームのものです。岸田メルさんのイラストが好きで、そのキャラクターを操作して戦えるというのと、前作に比べて操作の違和感(学校にいるときのアングルが変えられない等)が解消され、戦闘システムも面白くなっており、デートといった要素も含めていろいろと楽しめました。久しぶりにのめりこんだゲームでした。まだ達成していない個所もあるのですが、時間をおいてまたやれたらと思っています。

 

 最後に全体を見ると体調が悪い期間もありながら、家にいる時間を生かして色々楽しめたかなと思います。惜しむらくはもう少し読書の時間を増やしたかったですが、それはまた来年に持ち越しとしようと思います。来年はまた状況がどのように変化するかは分かりませんが、できる限り健康で過ごせたらいいなというところで振り返りを終わろうと思います。今年も残りわずかですが、一年間ありがとうございました。