いののすけのブログ

いろいろ語りたい一人の人間のブログ

最近感じていた息苦しさの正体

 最近何となく感じていた息苦しさに関していろいろ考えてきたのですが、おおまかにですが自分の考えがまとまってきたので、ここに書いておこうと思います。

 

 息苦しさを感じ始めたのはここ1年、コロナ禍が明けてからのことでした。もちろんコロナ禍の際には感染しないかという恐怖が強くて、そういった苦しさはあったのですが、ここ1年のものはそれとは異なりました。なんとなくマンガやアニメに触れる時間が減っていき、将棋もリアルタイムで追っていくのが難しくなっていきました。実際に読んでいた雑誌はここ半年から1年で追っていけなくなっていたり、将棋の中継もなかなか追えなくなったり、将棋を指したり麻雀を打ったりするときも辛さを感じる場面が増えたりと息苦しさを感じることが増えていきました。これに関して原因がわからなかったのですが、いろいろな本を読んでいく中で、「成長しなくてはいけない」、「量をこなさないといけない」、「好きなものに関してはすべて追わなくてはいけない」、「すぐに結果を出さないといけない」といった考えと、それをできていなかった自分への不安や焦りが原因だったのではと考えるようになっていきました。

 これらには新自由主義といったものと絡むのかと思います。絶えず成長することを要求され、失敗してしまうと自己責任として処理され、お金を稼ぐことこそが偉いとされるといった社会の風潮を指す言葉ですが、それに知らないうちにからめとられていて、上記のような枷を自分に課していたというのが原因としてあるのかなと思います。背景としては仕事が忙しくなったことやコロナ禍があけて自由に動けるようになったことなどがあるかとは思います。自分としてはそういった考えは嫌っていたと思うのですが、知らないうちに内面に入り込んでいたかなと思います。最近哲学や現代社会に関して論じた本を読んでいく中でこう考えるようになりました。

 これに対する対策としては本にはいろいろなことが示唆されていました。「ネガティヴ・ケイパビリティ」という簡単に結論を出さない力を持つことであったり、仕事に役立つ知識を得ることとそれ以外の無駄と切り捨てられがちなもの、特に自分の好きなことにしっかり目を向けていくことの二つを両立していくことなどが示されていました。まだ自分の中でまとまってはいませんが、自分の中で成長等にとらわれすぎていたことを自覚しながら、好きなものを楽しめる付き合い方で向き合っていくことが大切なのかなと感じています。例えば量をこなせない、リアルタイムで観れないなどといったことを気にしすぎないといったことが大事なことかなと思っています。

 最後に最近考えるにあたって参考になった本を書きに示しておきます。まだ自分でもまとまっていませんが、同じようなことを感じる人がいたなら、助けになればいいなと思っております。

 

 谷川嘉浩『スマホ時代の哲学ー失われた孤独をめぐる冒険』2022年、ディスカヴァー・トゥエンティワン

 谷川嘉浩・朱喜哲・杉谷和哉『ネガティヴ・ケイパビリティで生きるー答えを急がず立ち止まる力』2023年、さくら舎

 谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』2024年、ちくまプリマー新書

 東畑開人『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』2022年、新潮社

 三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』2024年、集英社新書

 レジー『ファスト教養~10分で答えが欲しい人たち~』2022年、集英社新書