いののすけのブログ

いろいろ語りたい一人の人間のブログ

鑑賞作品の選択(広がりと方向性)

 今回は自分の趣味へのスタンスというか、どのように読む本や漫画、観るアニメや映画を選んでいるのか、というのを述べてみようと思います。

 

 どんなふうに鑑賞する作品を決めていくかというと、まずは当然興味があるかというのがあります。興味のない本とかを読む時間はどうしても退屈だったり、無駄だと感じたりするので、興味というのが大事な要素なのは必然と言えます。ただどうして興味を持つのかというのを掘り下げていくと、鑑賞する作品の間には関連というかつながりがあることに気づきました。以下に例を挙げてみます。

 例として以前語った山戸結希監督の「ホットギミックガールミーツボーイ」で考えてみます。「ホットギミックガールミーツボーイ」を観ようと思ったのは、山戸結希監督の作品に興味があったからですが、ではなぜ山戸結希監督の作品に興味を持ったかをさかのぼると、最果タヒさんにつながります。山戸結希監督は「さいはてれび」という最果タヒさんの詩を気鋭の映像作家たちが映像化する企画で、「文庫の詩」を映像化していました。この「文庫の詩」を日本映画専門チャンネルの山戸結希監督特集の中で放送するというのを知り、山戸結希監督の作品を観てみようと思いました。そして「ホットギミックガールミーツボーイ」を観て、好きな作品となりました。

 では最果タヒさんをなぜ読もうと思ったのかというと、それは好きなアーティストである吉沢嘉代子さんとSHE IS SUMMERの影響があります。この二人のアーティストが前述した「さいはてれび」に出演しており、それを観て最果タヒさんという詩人の存在を知り、気になって「死んでしまう系のぼくらに」、「夜空はいつでも最高密度の青色だ」、「愛の縫い目はここ」を購入して読みました。そして最果タヒさんの詩が好きになりました。

 まだほかにも例はあるのですが、くどくなるのでここまでにしておきます。とにかく興味があるものから興味があるものへとつながっていって、鑑賞する作品を選択していることが多いです。

 この選び方によるメリットはというと、好きな作品に高確率で出会えることです。好きな作品の作者が好きなものなら、興味の方向等が似ていることが多く、自分も好きになることが多いです。実際この方法で好きになった作品は数多くあります。ただデメリットもあって、それはジャンルが似通って、広がりが出てこない可能性がある、ということです。

 例えば上の例を引くと、最果タヒさんと山戸結希監督からさらに大森靖子さんに行き着いていて、最近はその三人の作品にハマっているのですが、ジャンルが偏っているという感じがしています。もちろんそれぞれ素晴らしい作品が多く、退屈をしているとかそういうわけではないのですが、このままだとマンネリ化するという懸念が自分の中にあります。前回の記事でも少し触れましたが、別にマンネリ化が悪いことかというと必ずしもそうではないと思うのですが、ジャンルが違う素晴らしい作品を見逃してしまうのではないかという心配があります。近いジャンルの作品ばかり触れていると、いずれは興味のある作品が尽きるのではないかという恐怖、といってもいいかもしれません。そうすると漠然とですが自分の感受性が摩耗してしまうような、ひいては人間性が悪化してしまうのではないかという心配より恐怖に近い感情があります。実際興味が尽きることはないのかもしれません。ただ仕事が忙しくなったり何らかの事情で触れられる作品の量が減ったときに、自分は違うジャンルの作品を選べないのではないかと思います。いろいろな作品に触れて感受性を揺さぶっていきたいと考えている自分にとってこれは本当に恐怖なのです。それが嫌なので最近も百合を読んでささやかな抵抗をしたのですが、それが広がりになっているかは分かりません。

 そんなことを考えてネガティブになることもあるのですが、最近この辺りのことで嬉しいこともありました。前回百合に関してのブログを書いたのですが、それに対して友人がおすすめの百合作品を教えてくれたことです。自分と他人の興味は違うので、興味を持つ作品も当然異なります。だから友人のおすすめというのは自分にとっては一生出あうことのなかった可能性のある作品に対しての道筋をつけてくれる行為であって、興味を広げてくれるありがたい存在だなというのを改めて思いました。それに今までの鑑賞する作品選択にもSNSでつながっている誰かが言及している作品を気になって読んでみることもありましたし、だからおすすめというのは自分にとっては結構ありがたい行為だという認識があります。おすすめでいうと大学卒業時に何人かにおすすめのアニメを聞いて回っていて、そのリストもしっかり残せているのですが、あまり手を付けていないです。個人的には感想とかをフィードバックできればとも思っているので、観れていないのが申し訳ないんですけど、今は自分の中で読みたい・観たい作品が結構な勢いで増殖しているので、積ん読とかも多くなっていて手が付けられていないのですが、たまに目先を変えたい時があるので、そういう時に活用できればと思います。とにかくおすすめはありがたいと思っています。

 

 結論としては感受性を揺さぶり続けていたいので、いろいろな作品と出会いたいと思っていて、その方法とかを悩んでいるみたいなことが伝わればと思います。今のところは問題ないのですが、今後どうなるのか。まあ考えすぎても仕方がないので、今は興味あるリストから少しずつ選んでいって、楽しめればいいと思っています。